ここでは、マグネットギヤの概要、長所・短所、主な用途、製品例などを解説しています。
磁力の吸引・反発を利用して非接触で動力を伝達する歯車です。具体的には、歯車の歯を永久磁石に置き換えた構造になっています。これによりS極とN極の吸引、S極とS極、N極とN極の反発を生み出して動力を伝達します。マグネットギヤの主な役割は、一般的な歯車と同じです。つまり、条件が整えば一般的な歯車を、マグネットギヤに置き換えることができます。
代表的なメリットは、ギヤ同士が接触しないため摩耗によるパーティクル(発塵)がないことです。クリーンルーム内の装置でも、ギヤの接触部分をアクリルなどで覆って排気を取る必要は基本的にありません。同様の理由で、メンテナンスの手間を省ける点も魅力です。一般的なギヤに比べて、グリスをさす、ギヤを交換するなどのメンテナンスにかける時間や費用を減らせます。導入・維持にかかるコストを抑えつつ、稼働率アップも期待できます。非接触であるため、騒音や振動がほとんどない点、発熱しない点も見逃せません。厳しい基準が設けられた環境でも導入できることがあります。
以上のほかでは、マグネットギヤの間に遮蔽物があっても動力を伝達できることもメリットとしてあげられます。条件によっては、密閉された環境でも問題なく設置できます。大きなトルクがかかったときに、安全装置として働く点も魅力といえるでしょう。装置の破損や事故の予防にも役立つ可能性があります。
マグネットギヤは強力な永久磁石を使用しています。したがって、作業員が身に着けている精密機械などに悪影響を及ぼす恐れがあります。導入時や使用時は十分な注意が必要です。また、磁石部分からの距離によっては、周辺の機器へ影響を与えることも考えられます。環境によっては、磁場の解析などが必要になるでしょう。
設置時にマグネットギヤ同士が吸着することがある点にも注意が必要です。サイズによっては自力で外せないことがあります。また、巻き込まれてケガをすることも考えられます。これらの点も気を付けたいポイントです。隙間の広さで最大トルクが変化することも理解しておかなければなりません。具体的には、隙間が狭いと大きく、広いと小さくなります。最大トルクを考えて設計する必要があります。

引用元:BPRO公式サイト
(https://www.bpro.jp/product/magear/magear01.htm)
ビープロの例
独自の非接触メカニズムを採用したマグネットギヤを展開しています。高速・低速でも滑らかに動作する点が強みです。製品によっては、同じ外形で異なる磁極数のものを用意しています。

引用元:テクノライズ株式会社公式サイト
(https://www.technorise.ne.jp/products/magnet-gear.php)
テクノライズの例
NdFeBマグネットを用いたマグネットギヤです。太陽電池、有機ELなどの生産ラインで用いられています。幅広い製品サイズを用意しています。
精度やサイズなど5つの特徴的なポイントにマッチするギヤメーカーを紹介しています。
【選定の条件】Googleにて「ギヤ メーカー」「歯車 メーカー」で検索し、100位までに公式サイトが表示されたメーカーの中から
①ギヤ加工の対応範囲が広い(一部の種類に特化していない)、②国際的な品質マネジメント規格ISO9001を取得している、または、「日本歯車工業会」所属のメーカーから、各条件に適したメーカーから紹介しています。
(Google検索は2022年7月1日時点、①②は2022年7月調査時点)
※以下の根拠をもとに選出しています。
【高精度】…機械加工技能士「特級」保有者の数が最多、高性能な設備(ハイエンド/上位機種)の導入 【既存歯車の再現】…複製技術に強み、複製がプラン化されている
【標準歯車】…標準歯車の取扱い製品数が最多
【特大サイズ】…公表されている加工設備の対応サイズの中で最大 【極小サイズ】…商品化されている製品の中でモジュールが最小