ピンギヤは、ピンギヤドライブユニットなどに使用されるギヤです。本記事では、ピンギヤを使用したドライブユニットの概要や、長所・短所などについて解説します。
ピンギヤは、ギヤの種類のひとつです。ピンギヤドライブユニットとして活用されることが多く、ピンギヤと噛み合うピンラックを組み合わせたドライブユニットが展開されています。ドライブユニットに使用されるピンギヤは特殊な歯型で設計されており、ローラとスムーズに噛み合うことで、強度や摩耗強度が高くなるように処理されています。
ピンギヤドライブユニットは、ピン機構のホイール・ラックとピンギヤを組み合わせることで、回転を直線運動または別の回転運動に変えられる電動部品です。ギヤやラック・アンド・ピニオンと同じような機能があります。
ピンギヤを使用したドライブユニットは、ほかのギヤと比較して中心間距離が大きいので、設置しやすい点が長所です。また、ピンホイールがピンまたはローラで構成されている中空構造なので、重量が軽く、取り扱いしやすいというメリットもあります。さらに揺動の場合は、必要回転角度のみのピンホイールを作ることができるため、製作におけるコストダウンも期待できます。
また、セグメント化ユニットと組み合わせることで、大型機にも対応できる点も長所です。ラックの場合は、継ぎ面を合わせてユニットとのピッチ間隔を保つことができるので、長い直線駆動が可能となります。ほかにも、さまざまなサイズに対応可能であること、用途に応じた設計が可能であるなど、多くの長所があります。
ピンギヤはピンギヤドライブユニットのように、ピンラックやピンホイールと組み合わせて使用します。組み合わせる部品に合った歯型を設計する必要があるため、ピンギヤドライブユニットのようにセットでの販売が基本となっています。セットで購入した後、ピンギヤの交換のために単品で購入することは可能です。
ピンギヤを用いたドライブユニットは中空構造なので異物が溜まりにくい構造ですが、細かい粉塵が多い環境で使用する場合、ローラやピンの間に粉塵が詰まってしまうことがあります。粉塵が詰まるとローラが固着して回転しづらくなり、異常摩耗の原因となるため注意が必要です。
ピンギヤは硬化処理を施している製品があり、その多くはスチールタイプです。ピンギヤやスチールタイプとステンレスタイプがあり、ステンレスタイプには硬化処理を施すことができません。
引用元:古賀歯車製作所公式HP
(https://koga-gear.com/product/)
古賀歯車製作所の例
古賀歯車製作所では、大形ピンギヤの加工を得意としています。CADを用いたプラグラミングにより、さまざまな特殊歯型の設計が可能です。
引用元:深江特殊鋼公式HP
(https://meta-navi.com/case/671/)
深江特殊鋼の例
レーザー焼入れで加工した大形ピンギヤです。モジュールが大きいギヤは、歯底部のレーザー焼入れも可能です。
精度やサイズなど5つの特徴的なポイントにマッチするギヤメーカーを紹介しています。
【選定の条件】Googleにて「ギヤ メーカー」「歯車 メーカー」で検索し、100位までに公式サイトが表示されたメーカーの中から
①ギヤ加工の対応範囲が広い(一部の種類に特化していない)、②国際的な品質マネジメント規格ISO9001を取得している、または、「日本歯車工業会」所属のメーカーから、各条件に適したメーカーから紹介しています。
(Google検索は2022年7月1日時点、①②は2022年7月調査時点)
※以下の根拠をもとに選出しています。
【高精度】…機械加工技能士「特級」保有者の数が最多、高性能な設備(ハイエンド/上位機種)の導入 【既存歯車の再現】…複製技術に強み、複製がプラン化されている
【標準歯車】…標準歯車の取扱い製品数が最多
【特大サイズ】…公表されている加工設備の対応サイズの中で最大 【極小サイズ】…商品化されている製品の中でモジュールが最小