リバースギヤは、車を後退させるときに使用するギヤのことです。本記事ではリバースギヤの概要や、使用用途、長所・短所などについて解説します。
リバースギヤとは
リバースギヤは、車をバックさせるときに用いるギアを指します。バックギアと呼ばれることもありますが、この呼び方は和製英語です。駆動しているギアを逆回転させることで、車を後退します。
リバースギヤの構成は、主軸上に位置する「リバースアウトプットギヤ」、副軸にある「リバースギヤ」、そして「リバースアイドラーギヤ」の三つの部品から成り立っています。シフトレバーをリバースの位置に動かすと、リバースアイドラーギヤが副軸と主軸のリバースギアに噛み合い、後退します。
リバースギヤはその動作によって音（ギヤノイズ）が発生する、トランスミッションに負荷がかかるなどのリスクがあるため、動作の衝撃に耐えられるように設計され、テストを重ねて強度を確認した上で提供されます。ただしギヤノイズにおいては、使用頻度が少ないことからある程度許容されている場合が多いです。
リバースギヤの長所と短所
長所
リバースギヤ長所は、容易に逆方向へ動作させることができる点です。自動車はもちろんですが、クレーンなどを移動させるときに後退によって可動域が広がると作業効率が上がります。また、後退が可能となることで突如出現した障害物を避けるなど、安全性が高まる点も長所だといえます。
また、リバースギヤを動作させたときにかかるショックや負荷を軽減するために、高い強度で製造されている点も長所のひとつです。
短所
車を後退させるタイミングはさまざまですが、完全に車が停止していない状態でリバースギヤを入れると、トランスミッションに大きな負担がかかります。後退している最中に前進させる場合も同じです。トランスミッションに負荷がかかって故障してしまうと、エンジンの動力の伝達が悪くなり、走行や可測に悪影響を及ぼす可能性があります。
トランスミッションに負荷をかけないよう、きちんと停車してからリバースギヤを操作する必要がありますが、すべてのドライバーが意識できるとは限りません。こうした負荷に耐えられるよう、リバースギヤはより高い強度で製造する必要があります。
主な用途（対応している分野）
- 自動車
- クレーン
リバースギヤの製品例
引用元：大岡技研株式会社公式HP
（https://o-oka.jp/product/mt/）
大岡技研の例
バッグギアとして十分な機能を果たすために、より強度なリバースギアを製造しました。ブッシュ込みの完成した製品をラインに直接投入しているほか、シェービング段差がない高強度の歯元と、鍛造肌のみで製造することによって得られるギアの精度を確保したリバースギアです。
引用元：株式会社ジェイテクトギヤシステム公式HP
（https://www.gear.jtekt.co.jp/products/index.html）
ジェイテクトギヤシステムの例
ジェイテクトギヤシステムではさまざまな自動車部品を製造しており、そのひとつとしてリバースギアの製造も行っています。製造においては自社で歯車工作機を開発し、自社独自の技術を用いてリバースギアを含めた歯車を作っている点が強みです。