円筒形のはすば歯車同士を組み合わせた歯車(または平歯車との組み合わせ)です。「スパイラルギヤ」「「スクリューギヤ」と呼ばれることもあります。一般的に「はずば歯車」の亜種に位置付けられます。はすば歯車は、軸に対して歯筋がつるまき線状(斜め)になっている歯車です。歯筋が螺旋状になるため、噛みあい率は高くなります。したがって、滑らかかつ連続した噛みあいとなる点が特徴です。また、食い違い軸で動力を伝えられる点もポイントといえるでしょう。食い違い軸は、歯車の軸が交わりもしないことです。同様の特徴をもつギヤとして「ウォームギヤ」「ハイポイドギヤ」があげられます。
ねじ歯車の特徴は、歯筋がつるまき状なっていることです。これにより、捻じれの位置でも動力を伝えられます。また、噛みあい率が高まり、滑らかで連続した噛みあいになります。つまり、静穏性と強度に優れているのです。
静穏性と強度に優れる点は魅力ですが、大きな負荷がかかる箇所や大きな振動が発生する箇所、腐食の恐れがある箇所などでの使用は向いていません。このような環境だと、滑らかな噛みあいとはなりにくいからです。また、捻じれ方向(右方向または左方向)の選定を誤ると動力をうまく伝えられないうえ歯車の寿命も短くなります。
減速機構・搬送機械・送り装置・省力機
引用元:小原歯車工業株式会社公式サイト
(https://www.khkgears.co.jp/khk_products/Screwgear.html)
小原歯車工業の例
小原歯車工業株式会社がねじ歯車の普及品と位置付けている製品です。歯面高周波焼入れの追加加工を行えます。材質は「S45C」、熱処理は「なし」、歯面仕上げは「切削」、モジュールは「1~4」、歯車精度は「N9」となっています。普及品だけあって扱いやすいねじ歯車といえるでしょう。小原歯車工業株式会社は、完成品のJシリーズも扱っています。
引用元:ミスミ公式サイト
(https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/110302003770/)
ミスミの例
ミスミが扱っている「ねじ歯車 軸穴加工タイプ 圧力角20°」です。歯車形状はB形、ねじれ角は「45°」、熱処理は「なし」、材質は「S45C相当(スチール・鉄)・SUS304(ステンレス)・MCナイロン(プラスチック) 」、表面処理は「四三酸化鉄被膜」、対応モジュールは「モジュール1.0・1.5・2.0・2.5・3.5」となっています。追加加工で止めねじ追加工を行うことができます。
引用元:協育歯車工業公式サイト
(https://www.kggear.co.jp/stockgear/helical-gears-and-screw-gears/)
協育歯車工業の例
協育歯車工業株式会社は、はすば歯車、ねじ歯車としてHシリーズを扱っています。材質は「S45C・SU・D(ポリアセタール)・BP(ポリアセタール青色)」、歯数は「z:13・z:26」、穴仕上げは「旋削加工・ネジ穴付き旋削仕上げ」、形状は「片ハブ付」となっています。
精度やサイズなど5つの特徴的なポイントにマッチするギヤメーカーを紹介しています。
【選定の条件】Googleにて「ギヤ メーカー」「歯車 メーカー」で検索し、100位までに公式サイトが表示されたメーカーの中から
①ギヤ加工の対応範囲が広い(一部の種類に特化していない)、②国際的な品質マネジメント規格ISO9001を取得している、または、「日本歯車工業会」所属のメーカーから、各条件に適したメーカーから紹介しています。
(Google検索は2022年7月1日時点、①②は2022年7月調査時点)
※以下の根拠をもとに選出しています。
【高精度】…機械加工技能士「特級」保有者の数が最多、高性能な設備(ハイエンド/上位機種)の導入 【既存歯車の再現】…複製技術に強み、複製がプラン化されている
【標準歯車】…標準歯車の取扱い製品数が最多
【特大サイズ】…公表されている加工設備の対応サイズの中で最大 【極小サイズ】…商品化されている製品の中でモジュールが最小