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転位歯車

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「転位歯車」は、刃先の干渉などを防ぐよう構成されている歯車です。転位歯車は自動車や工作機械など、さまざまな分野で活用されています。本記事では転位歯車の概要や用途、長所・短所などについて解説します。

転位歯車とは

転位歯車は、歯車の基準ピッチ円を外側もしくは内側にずらしている歯車のことです。歯車を加工する際に、工具の位置を若干前後させると歯数を変更することなく歯車の形を変えられます。外側にずらした歯車は「プラス転位」、内側にずらした歯車は「マイナス転位」と呼び、ずらした量は「転位量」と呼びます。転位量は、モジュールの倍数で表します。

モジュールとは、ピッチ円の直径を歯数で割った値のことです。モジュールは歯の大きさを表す際にも用いられます。歯車を設計する上で中心間距離の制約がある際に、転位歯車で調整します。歯車を用いた機械において、減速比を変更したい際、中心間距離が合わない場合は、転位係数を用いて調節することになります。

例えば中心間距離が57という制約があるときに、モジュールが1.25、小歯車が36、大歯車が53だと、中心間距離が55.625となるため57を満たせません。ここで転位係数を利用し、大歯車に0.48329をプラス転位させると、中心間距離が57になります。この方法は転位平歯車と呼ばれています。

歯車を転位させることで。歯車がえぐられて細くなってしまう「切り下げ」を防ぐことができる点が特徴です。プラス転位にすることで、歯車がえぐられてしまった部分を太くすることができます。転位歯車が活用されている分野は実に多様です。自動車や自動二輪のトランスミッションや、産業機械などにおいて、動力の伝達を効率的に制御するために用いられています。

転位歯車の長所と短所

長所

歯車の切り下げを防ぐことにより、少ない歯車の噛み合い率が増える点が転位歯車の長所です。例えば圧力角が20°の場合、歯数が17になると切り下げが起こりやすくなります。プラス転位を行うことで歯元の厚さが太くなるという特性があるため、この特性を利用してプラス転位を行うことで、切り下げを防げるのです。

また、歯の強度が低下してしまう状況を改善できる、両歯車の歯の強さを高めるといった長所もあります。そのほか、動力の伝達効率を高められる点や、歯車の組み合わせによって回転速度を変更できる点も転位歯車の長所です。

短所

歯車をずらす際に、転位量が大きすぎると刃先が尖ってしまうことがあります。また、転位歯車はプラス転位もマイナス転位も転位の限界があります。限界を超えてしまうと、切り下げが起こる場合があるため注意が必要です。

主な用途(対応している分野)

他の分野に対応している
ギヤ(歯車)を見つける

転位歯車の製品例

ポーライトの例

引用元:ポーライト株式会社公式HP
(https://www.porite.co.jp/machine_parts/s_module_gear/)

ポーライトの例

転位歯車を用いて、極小サイズの歯車を生産しています。これにより材料歩留まりを高め、材料コストを抑えることが可能です。こちらの小モジュール歯車は、AV機器やアミューズメント機器に使用されています。

そのほかのギヤ(歯車)の種類について、詳細はこちら

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