スプロケットとは
チェーンの回転を軸に伝える、あるいは軸の回転をチェーンに伝えるホイールです。チェーンホイールなどと呼ばれることもあります。一見するとギヤのように見えますが、相互に噛みあうようには設計されていません。
スプロケットは、標準スプロケットと特殊スプロケットにわかれます。前者はさまざまな伝導部に適用できるよう設計された汎用性の高いスプロケット、後者は標準スプロケットに追加加工を施して特殊な環境で使用できるようにしたスプロケットです。また、スプロケットはボスの有無でも3タイプにわかれます。ボスはスプロケット中央部分の出っ張りです。ボスがないものをAタイプ、片側にボスがあるものをBタイプ、両側にボスがあるものをCタイプといいます。
以上からわかる通り、丁数（歯数）やピッチ径が合えばどれでも使用できるわけではありません。汎用性の高いものはあるものの、仕様などを確認してから導入する必要があります。
スプロケットの長所と短所
長所
主な長所は、チェーンまたは軸の回転を軸またはチェーンに伝えられることといえるでしょう。ステンレス製のものや歯先を硬化させたものは耐摩耗性が高く長寿命という特徴も備えます。ただし、具体的な寿命は素材やメンテナンスで異なります。チェーンをよい状態に維持すれば、スプロケットの寿命は長くなる傾向があります。
短所
歯数を増やすと重いものを動かしやすくなりますが、摩擦が大きくなるため動作は遅くなります。同様の理由で歯も摩耗します。状態によってはスプロケットの交換が必要です。前述の通りスプロケットの寿命は、素材など、さまざまな条件で変動します。
主な用途（対応している分野）
自動車・自動二輪車・自転車・工具・その他機器など
スプロケットの製品例
引用元:アールエスコンポーネンツ公式サイト
（https://jp.rs-online.com/web/p/sprockets/0183322?gb=b）
アールエスコンポーネンツの例
英国規格標準ローラーチェーン用の「スプロケット RS PRO 17歯 テーパーブッシュ」です。歯数は「17」、素材は「スチール」、ビッチ円直径は「51.83mm」、チェーンタイプは「06B-1」となっています。
引用元:シマノ公式サイト
（https://bike.shimano.com/ja-JP/components/road/category/cassette-sprocket.html）
シマノの例
ロードバイク用のスプロケット「DURA-ACE 12スピード HYPERGLIDE+ ロード カセットスプロケット」です。シームレスなシフティングを特長とします。リアスピードは「12」、対応チェーンは「HG12スピード」となっています。
引用元:椿本スプロケット公式サイト
（https://www.tsubakimoto.jp/tsp/products/）
椿本スプロケットの例
小型コンベヤチェーン用のスプロケットです。軸穴などが加工済みですぐに使用できるバイピッチスプロケットフィットボア、ベアリングを取り付けられる穴加工を施したフィットボアBRタイプなど、椿本スプロケットは複数のラインナップを用意しています。