本記事ではバランスシャフトギヤの概要や、長所と短所、製造事例などをご紹介します。
バランスシャフトギヤは、エンジンの振動を軽減するために使用されるギヤのことです。バランスシャフトを駆動する役割を果たします。
車が振動する要因のひとつに、エンジンルームの振動が挙げられます。振動を相殺するために、エンジンの回転振動と逆にバランスシャフトを回すことで、エンジン動作がなめらかになり騒音や振動を軽減する仕組みです。バランスシャフトギヤは特定のエンジンに使用されることが多く、直列4気筒エンジンなどに配置されています。
バランスシャフトギヤが金属製の場合、ギヤ同士が噛み合うときに振動や騒音が発生しやすいです。対策として、樹脂で作られたバランスシャフトギヤを使用することで、ギヤの駆動による振動や騒音を低減します。
エンジンの振動を低減することで、滑らかな運転を実現できる点が大きなメリットです。走行が滑らかになることで、車内の快適性が高くなり、運転中の疲れを軽減します。また振動が軽減されることで、エンジンに使用されている部品の摩耗や劣化を抑えられるため、エンジンの寿命が延びる点もメリットです。
バランスシャフトギヤはさまざまな素材を用いて製造されますが、樹脂ギヤを採用することでより多くの長所が生まれます。強化繊維が刃先までまんべんなく充填できるため、金属製のバランスシャフトギヤよりも刃先の強度が高くなる点は大きなメリットです。
バランスシャフトとバランスシャフトギヤを追加することで、エンジンの製造コストが大きくなる点は、短所のひとつといえるかもしれません。また、搭載してもすべての振動を抑えられるわけではないこと、エンジンの重量が重くなるため燃費が悪くなる可能性がある点は短所のひとつです。
そのほか、バランスシャフトの搭載によってエンジンの構造が複雑になるため、メンテナンスが難しくなる可能性がある点も短所として挙げられます。
引用元:株式会社レゾナック・ホールディングス公式HP
(https://www.resonac.com/jp/products/auto/arp/013.html)
レゾナック・ホールディングスの例
レゾナック・ホールディングスでは、高強度樹脂ギヤを製造しています。アラミド系強化繊維をメインの素材として使用し、「コウベライト(R)KM-9000」を歯切り加工して製造しています。バランスシャフトギヤのほか、カムシャフトギヤにも使用可能です。金属でなく樹脂で製造することで、熱処理が不要となるため製造コストを下げられます。
引用元:日本ガスケット公式HP
(https://www.npgkt.co.jp/products/paper_making_products/)
日本ガスケットの例
日本ガスケットは、紙抄きと同様の抄造製法を用いてさまざまな製品を製造しています。バランスシャフトギヤにも抄造製法を採用しており、刃先にもアラミド繊維をまんべんなく充填することで、強度や耐熱性、耐摩耗性に優れている点が特徴です。
精度やサイズなど5つの特徴的なポイントにマッチするギヤメーカーを紹介しています。
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①ギヤ加工の対応範囲が広い(一部の種類に特化していない)、②国際的な品質マネジメント規格ISO9001を取得している、または、「日本歯車工業会」所属のメーカーから、各条件に適したメーカーから紹介しています。
(Google検索は2022年7月1日時点、①②は2022年7月調査時点)
※以下の根拠をもとに選出しています。
【高精度】…機械加工技能士「特級」保有者の数が最多、高性能な設備(ハイエンド/上位機種)の導入 【既存歯車の再現】…複製技術に強み、複製がプラン化されている
【標準歯車】…標準歯車の取扱い製品数が最多
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