出力軸のバックラッシをなくしている、または一定以下に抑えている歯車です。「ノンバックラッシギヤ」「ゼロバックラッシ歯車」などと呼ばれることもあります。バックラッシは、歯同士の干渉を避けて歯車を滑らかに回転させるため設けられた遊びまたは隙間です。1対の歯車が噛み合って動くため、通常は意図的に設けられています。これをなくす、または一定以下に抑えている歯車がノーバックラッシギヤです。具体的な方法はさまざまですが、歯厚減少量が小さい歯車を作る、2枚の歯車をずらして設置するなどの方法でバックラッシをなくしています。ノーバックラッシギヤは、高精度な位置決めを求められる歯車機構などで主に用いられています。
ノーバックギヤの大きな長所は遊びをゼロにできるまたは一定以下に抑えられることです。精密機器など、バックラッシが問題になる歯車装置で活用できる可能性があります。歯と歯が噛み合うときに騒音(たたき音)や振動を発生させにくい点も魅力といえるでしょう。これらは、主にバックラッシにより発生すると考えられています。
ノーバックラッシギヤの構造によっては、油膜が切れると急激に歯面が摩耗する恐れがあります。油膜を切らさないように注意しなければなりません。また、バックラッシを小さくしすぎると騒音が大きくなることもあります。この点が気になる場合は、専門家と相談したうえで導入が必要です。
精密機器・計測機器・ロボット関連など
引用元:株式会社ミスミグループ本社公式サイト
(https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/221000073599/)
協育歯車工業の例
協育歯車工業が扱っている「ノーバックラッシュギア モジュール1」です。通常単価は9,631~32,473円(税込)となっています。主な特徴は、バネの力を使って2枚の歯車で相手歯車の歯を挟み込みバックラッシをなくしていることです。公式情報によると、バックラッシをゼロに近づけるノーバックラッシギヤと表現されています。主な用途は、エンコーダーの分解能アップ、高精度な位置決め、振動がある回転伝達部のギヤ音対策です。
モジュールは「1.0」、圧力角は「20°(並歯)」、歯幅は「10mm」、軸穴形状は「丸穴+タップ」、表面処理は「なし」、歯研は「なし」です。材質はシリーズで異なります。NSシリーズは「A5056(アルミニウム)に白アルマイトの表面処理」、NSGシリーズは「SCM435、440クロムモリブデン鋼」です。形状はNSシリーズ、NSGシリーズとも円弧バネ方式となっています。
精度やサイズなど5つの特徴的なポイントにマッチするギヤメーカーを紹介しています。
【選定の条件】Googleにて「ギヤ メーカー」「歯車 メーカー」で検索し、100位までに公式サイトが表示されたメーカーの中から
①ギヤ加工の対応範囲が広い(一部の種類に特化していない)、②国際的な品質マネジメント規格ISO9001を取得している、または、「日本歯車工業会」所属のメーカーから、各条件に適したメーカーから紹介しています。
(Google検索は2022年7月1日時点、①②は2022年7月調査時点)
※以下の根拠をもとに選出しています。
【高精度】…機械加工技能士「特級」保有者の数が最多、高性能な設備(ハイエンド/上位機種)の導入 【既存歯車の再現】…複製技術に強み、複製がプラン化されている
【標準歯車】…標準歯車の取扱い製品数が最多
【特大サイズ】…公表されている加工設備の対応サイズの中で最大 【極小サイズ】…商品化されている製品の中でモジュールが最小