遊星歯車(プラネタリーギヤ)は、減速機などに幅広く用いられている歯車です。ここでは、遊星歯車(プラネタリーギヤ)の特徴、長所と短所、主な用途、製品例などを紹介しています。
遊星歯車(プラネタリーギヤ)は、遊星歯車機構を構成するギヤのひとつです。遊星歯車機構は、以下のギヤで構成されます。
太陽歯車は、遊星歯車機構の中心、動力入力側に位置する歯車です。周辺の遊星歯車へ動力を伝達します。遊星歯車(プラネタリーギヤ)は、太陽歯車周辺に取り付けられた歯車です。太陽歯車から伝えられた動力で自転します。内歯車に沿って太陽歯車の周りを公転するとともに内歯車へ動力を伝える点がポイントです。遊星歯車(プラネタリーギヤ)と呼ばれる理由は「太陽(歯車)」の周りを惑星のように公転するからといえるでしょう。内歯車は遊星歯車機構でもっとも外側に位置する歯車です。
遊星歯車機構の特徴は、3つの歯車の役割を変えることで、減速・増速・逆転機構として働くことといえるでしょう。例えば、太陽歯車を入力・遊星歯車(プラネタリーギヤ)を出力、内歯車を固定すると減速機構として働きます。
代表的な長所としてあげられるのが、装置をコンパクトにしやすいことです。入力軸と出力軸を同軸上に配置できるためコンパクトにまとめられます。複数のギヤを用いることで、トルクを分散させやすくなる点も魅力です。高トルクに耐えやすい歯車機構と考えられます。
複数の歯車を組み合わせるため、機構が複雑になりやすい傾向があります。精度の高い歯車を求められるケースが多くなります。同様の理由で、メンテナンスの重要性も高くなります。遊星歯車機構は、定期的なメンテナンスが欠かせません。
引用元:マテックス株式会社公式サイト
(https://www.matex-japan.com/products/gear_feature)
マテックスの例
主力製品として遊星歯車減速機を扱っています。遊星機構部をユニット構造化して、複雑な設計を不要としている点が特徴です。減速仕様とユニットの組み込みを検討するだけで遊星減速機を導入できます。金属・焼結・切削・プラスチックタイプなど、さまざまな選択肢を用意している点も見逃せません。同社の遊星歯車減速機は、負荷変動のノイズ変化がないなどの特徴も備えています。
住友重機械ギヤボックスの例
耐衝撃性に優れる遊星歯車減速機です。多等遊星歯車方式と独自の等配構造で歯車に作用する荷重を分配する、高圧力角を採用して歯車の歯元曲げ強度を向上させるなどしてこの特徴を生み出しています。モジュラーデザインの採用により、多くの仕様に対応している点もポイントです。
精度やサイズなど5つの特徴的なポイントにマッチするギヤメーカーを紹介しています。
【選定の条件】Googleにて「ギヤ メーカー」「歯車 メーカー」で検索し、100位までに公式サイトが表示されたメーカーの中から
①ギヤ加工の対応範囲が広い(一部の種類に特化していない)、②国際的な品質マネジメント規格ISO9001を取得している、または、「日本歯車工業会」所属のメーカーから、各条件に適したメーカーから紹介しています。
(Google検索は2022年7月1日時点、①②は2022年7月調査時点)
※以下の根拠をもとに選出しています。
【高精度】…機械加工技能士「特級」保有者の数が最多、高性能な設備(ハイエンド/上位機種)の導入 【既存歯車の再現】…複製技術に強み、複製がプラン化されている
【標準歯車】…標準歯車の取扱い製品数が最多
【特大サイズ】…公表されている加工設備の対応サイズの中で最大 【極小サイズ】…商品化されている製品の中でモジュールが最小