ハイポイドギヤは曲がり歯かさ歯車(スパイラルベベルギヤ)の一種ですが、駆動歯車と被動歯車の軸が交差しない「食い違い軸歯車」である点が大きく異なっています。英語では、Hypoid GearまたはHypoid Spiral Bevel Gear。Hypoidという名称は、Hyperboloid(双曲面)にちなんだものです。
ハイポイドギヤは、大きなトルクがかかる部位に使用されます。
ハイポイドギヤは、強度と静音性に優れています。また、大きな減速比が得られるという利点があります。
ハイポイドギヤは歯の噛み合い率が高く、歯当たり面が大きく取れるため、噛み合いは連続的で滑らかに進みます。さらに、駆動歯車と被動歯車の軸がオフセットしていることで、噛み合い面が歯筋方向に滑るため、スパイラルベベルギヤより静音性が高くなるといった特徴があります。
またハイポイドギヤは、スパイラルベベルギヤよりピニオンの歯数を少なく設定可能 です。歯数の比が大きく取れるため、大きな減速比が得られます。
ハイポイドギヤの短所は、エネルギーロスの大きさと、摩擦に対処しなくてはいけないことです。
ハイポイドギヤの噛み合い面が歯筋方向に滑ることは、長所の項でお伝えしました。この滑りは、騒音低減にはメリットとなりますが、滑ることで荷重が逃げるため、動力の伝達効率という点ではデメリットとなります。
また、噛み合い面が滑ることで摩擦熱が生じます。そのまま使うと焼き付いてしまうため、ギヤオイルの使用が必須となります。
ハイポイドギヤには、噛み合い面が滑ることでエネルギー損失が起こることや、摩擦が大きいためにギヤオイルが必要であるという短所があります。
【目的別】自社に合うギヤが見つかる!
欲しいギヤのタイプから選ぶ
ギヤメーカー5選
自動車の駆動系、工作機械やロボットの減速機
引用元:浅野歯車工作所公式サイト
(https://www.asanogear.co.jp/product-introduction/gear-parts/)
浅野歯車工作所の例
自動車やトラクターのデフなど、駆動系に使用されるハイポイドギヤ。画像は、歯面解析と伝達誤差解析によって低騒音設計された自動車用ハイポイドギヤ。
ほかに、加工時間短縮による低コスト化と適切な設計によって強度アップしたトランスファ向けハイポイドギヤも紹介されています。
引用元:オージック公式サイト
(https://www.ogic-gears.com/product/16/)
オージックの例
画像は、ロボットの関節に使用されるハイポイドギヤ。大きな減速比が得られるような設計です。
そのほか公式サイトでは、鉄製で浸炭焼き入れ処理が施された自動車のファイナルギヤ用ハイポイドギヤ、コンパクト化が求められるため選択された工作機械用ハイポイドギヤが紹介されています。
引用元:日下歯車製作所公式サイト
(http://kusaka-gear.co.jp/service/products/)
日下歯車製作所の例
画像は、クロモリ製(SCM420H、SCM415H)ハイポイドギヤ。減速機に使用されます。
精度やサイズなど5つの特徴的なポイントにマッチするギヤメーカーを紹介しています。
【選定の条件】Googleにて「ギヤ メーカー」「歯車 メーカー」で検索し、100位までに公式サイトが表示されたメーカーの中から
①ギヤ加工の対応範囲が広い(一部の種類に特化していない)、②国際的な品質マネジメント規格ISO9001を取得している、または、「日本歯車工業会」所属のメーカーから、各条件に適したメーカーから紹介しています。
(Google検索は2022年7月1日時点、①②は2022年7月調査時点)
※以下の根拠をもとに選出しています。
【高精度】…機械加工技能士「特級」保有者の数が最多、高性能な設備(ハイエンド/上位機種)の導入 【既存歯車の再現】…複製技術に強み、複製がプラン化されている
【標準歯車】…標準歯車の取扱い製品数が最多
【特大サイズ】…公表されている加工設備の対応サイズの中で最大 【極小サイズ】…商品化されている製品の中でモジュールが最小