業界で実績のあるギヤがわかる
ニーズ別ギヤ(歯車)メーカー5選を見る
平行軸歯車減速機は、平歯車(スパーギヤ)を組み合わせた減速機です。減速比率によって1段から4段用意されており、動力の伝達は転がりによるため、1段あたり98%程度の伝達効率が確保できます。減速比率は1/5~1/2500程度と幅広い比率をカバーすることが可能。
さらに減速比率によって組み合わせる歯車の段数に違いがあるため、モータ出力によって減速機の寸法が変わってくることが特徴です。
ヘリカル減速機は、歯車にヘリカルギヤ(はすば歯車)を使用しています。歯すじをねじらせているため、歯のかみ合い率が向上し、なめらかで静粛性の高い動力伝達を得られることが特徴。
しかし、歯すじがななめになっているため、動力伝達の大きさに比例してスラスト力が発生するという弱点が生まれます。この弱点を克服するため、真逆のヘリカルギヤを配置したダブルヘリカルギヤが使用されています。
べベルギヤ減速機は、かさ歯車を組み合わせた減速機です。小歯車と大歯車を組み合わせることで減速しますが、出力を90°振るために用いられることが多く、減速比率が1:1のべベル減速機をマイタギヤと呼んでいます。また、かさ歯車の歯すじをねじらせかみ合い率を向上させたものをスパイラルべベルギヤ(まがり歯かさ歯車)と呼びます。
ハイポイド減速機は、ピニオンギヤの軸心をギヤ軸中心に対してある量だけオフセットして配置したギヤです。スパイラルべベルギヤの動力伝達に滑りを加えることにより、さらに滑らかな動力伝達が可能。歯数比が大きいため、大きな減速比率を得ることができますが、かみ合いが複雑なため、かみ合い位置を精密に調整することが必要です。
ウォーム減速機は、ねじ歯車(ウォームギヤ)とはす歯歯車(ウォームホイール)を組み合わせた減速機です。この組み合わせだけで1/10~1/60程度の大きな減速比率を得ることが可能。 ねじ歯車(ウォームギヤ)の進み角が小さくなると、出力側であるはす歯歯車(ウォームホイール)から回すことが困難になることから、昇降装置の落下防止などに利用することができます。
また、入力軸のスラストガタを少なくすることにより、バックラッシを抑えることができます。ただし、動力伝達を歯面のすべりによっておこなうため熱を発生しやすく、伝達効率は50%程度と抑えられることが注意ポイントです。
本サイトで紹介しているギヤ(歯車)メーカーの中で、減速機の歯車に対応(2022年7月調査時点で公式サイトに記載)しているメーカーを紹介しています。
詳細記載がなかったメーカーについては、最下部にメーカー名のみ紹介しています。
岡本工機は減速機用の歯車を製作し、減速機自体も製作する機械メーカーです。
歯車を使った減速機は大荷重に耐え、回転比も正確にとれることから効率の良い減速機の1つ。ギヤを使った減速機であれば、材料の調達から完成まで一貫生産することが可能です。お客様からの図面をもとに製作し、短納期や図面がない場合でも対応します。
チバダイスは減速機に使用されるプラスチック歯車「ハイパーリードスクリュー」を製作しています。
ハイパーリードスクリューの特徴は、騒音・強度・耐久性に強いこと。さらに50度以上のハイリードを達成しており、高速移動が可能で、直線運動を回転運動に容易に変換し、ナットは樹脂製、ネジ軸はSUS・快削鋼・真鍮・アルミ・樹脂から選択することができます。
また、ネジ軸の外径はφ4以下が可能で、従来品に比べ、圧倒的な軽量化を実現しています。
中日精工は、減速機において大型機械用と温室用のギヤを提供しています。
ニッセイは、減速機に使われるヘリカルギヤ、インターナルギヤ、ハイポイドギヤを提供しています。
ヘリカルギヤは、歯スジがねじれているため、噛合い率が向上し、スパーギヤより滑らかで静かに回転する歯車。特に面圧強度については、スパーギヤより大幅にアップするというメリットがあります。ギヤサイズはモジュール 0.5 ~ 6 まで。外径は約 φ300 mmまで。全長は約 600 mmまで。
インターナルギヤは、平歯車とかみ合う、内側に歯がある歯車です。2個以上の遊星歯車にて負担を分担することで、コンパクトに装置を設計することができます。ギヤサイズはモジュール 0.5 ~ 3 まで。外径は約 φ300 mmまで。全長は約 200 mmまで。
ハイポイドギヤは、スパイラルベベルギヤに対して、ピニオン軸がギヤ軸の中心に対してある量オフセットしたものです。歯の噛合いは、スパイラルベベルの転がり作用に、歯スジ方向のすべりが加わるため、スパイラルベベルギヤよりも、静かで滑らかに回転を伝えることが可能。ギヤサイズはモジュール 0.5 ~ 6 まで。外径は約 φ300 mmまで。全長は約 300 mmまで。
前田精密製作所では、超小型の減速機(波動歯車装置等)を開発しています。
外径が10mm、減速比が50で、負荷トルクは0.15N・mのもの、外径が6mm、減速比は同じく50のものなどです。産業ロボット等のハンドの指の関節に組み込める省スペースで軽量な減速機を想定しています。
上記のほか、浅野歯車製作所、オージック、川島製作所、ナゴヤギア、寳角ギヤー、明和工作所、明和製作所、三宅精機、山崎歯車製作所なども減速機向けのギヤに対応しています。
精度やサイズなど5つの特徴的なポイントにマッチするギヤメーカーを紹介しています。
【選定の条件】Googleにて「ギヤ メーカー」「歯車 メーカー」で検索し、100位までに公式サイトが表示されたメーカーの中から
①ギヤ加工の対応範囲が広い(一部の種類に特化していない)、②国際的な品質マネジメント規格ISO9001を取得している、または、「日本歯車工業会」所属のメーカーから、各条件に適したメーカーから紹介しています。
(Google検索は2022年7月1日時点、①②は2022年7月調査時点)
※以下の根拠をもとに選出しています。
【高精度】…機械加工技能士「特級」保有者の数が最多、高性能な設備(ハイエンド/上位機種)の導入 【既存歯車の再現】…複製技術に強み、複製がプラン化されている
【標準歯車】…標準歯車の取扱い製品数が最多
【特大サイズ】…公表されている加工設備の対応サイズの中で最大 【極小サイズ】…商品化されている製品の中でモジュールが最小